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Who is a hero?『アイアムアヒーロー』第264話 [アイアムアヒーロー]

【ネタバレ注意!】本記事はネタバレを含みます。本編を未読の方はご注意下さい!


本作の連載が始まったのが2009年。

今日まで一話も欠かさずに読み続けてきました。

そして、迎えた最終話。


読み終えて。

さて、困りました。

最終話には、作者である花沢さんの“いろいろ”が詰まっているはず。

なので、こちらもそのつもりで身構えて読みました。

それでもなお、困ってしまいました。

読んだ直後。

『アイアムアヒーロー』をどう解釈しよう?

『アイアムアヒーロー』って、何だったんだろう?



連載開始当初、うだつの上がらない漫画家の苦悩を描いていく、
そういう漫画なのだと思っていました。

しかし、第10話のラスト、そして第11話の“アレ”で
作品世界の中だけではなく、我々(読者)側にも異変が生じた記憶が
まだ鮮烈に残っています。

「ああ、これは“読み方が違う”んだ」

本作はゾンビ・サバイバル漫画へと変貌し、池袋編が終わった後、
最終章へと突入し、ゾンビはおろか、人間さえも出てこなくなりました。

その流れのまま、最終話。


雪の積もった、誰もいない街(新宿?)。

ただ白と黒だけに染まった街並の中、
信号機だけは、なぜか赤く灯っています。

銃を携え、雪の中を逞しく進む英雄。

英雄の後ろに大きく描かれた「アイアムア」の文字。

当然、これに続くのは「ヒーロー」。

「HERO」は「英雄」とも訳せますが
主人公」という意味もあり、そう考えれば
この物語の主人公は、やはり英雄なんですね。

英雄であり、主人公。

アイアムアヒーロー。

第7話で「せめて自分の人生ぐらい主役になりたいんだよ」と
泣いていた英雄が、本当に主役になった瞬間。

それが、あのカラー見開き2ページだったのではないか。

『アイアムアヒーロー』は、一人の男が戦って、戦って、
みっともなくガムシャラに戦って、人生の主役を目指した物語。

そう思えてきました。
(まあ、そこに至るまでに何回も最終話を読み返しましたが)

正直、まだ頭の中でしっかりと咀嚼は出来ていません。

でも約8年、最後まで読み続けた一人の読者としての感想は
なんとか、そこに落ち着きました。



花沢健吾さんの『アイアムアヒーロー』は、とても面白い漫画です。

身の回りに未読の友人や同僚がいたら、ぜひ勧めてほしい漫画です。

とりあえず、第一集だけでも勧めてみましょう。

第一集をラストまで読んで、そこから先が気にならない人は、
そうはいないと思いますよ。



さて。

最終22集が発売になったら、もう少し時間をかけて、
第1集からじっくり読み直してみようと思っています。

もしかしたら、今とは違った印象と感想が生まれるかもしれません。

その時はまた、このブログで何かを書こうと思っています。

では。

【追記】
これにて最後。単行本第22集の記事はこちら

コメント(25) 
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コメント 25

ハル

はじめまして。

こっそりと長いことお世話になっておりました。
冷静で簡潔な中に遊び心の入った語り口が好きでした。ありがとうございます。

とうとう最終回でしたね。
いろいろなことに答えが出る終幕のほうがスッキリ出来たでしょうし、自分がどちらかというとそれを望んでいたのも確かなのですが、
この終わり方も意外にアリだな、という気持ちでいます。

ヘリ脱出組の希望を描いてくれただけでも、充分親切かもしれないと思えてきました。

もうしばらく自分も咀嚼していくと思いますが、長く楽しませてくれたこの漫画と、いつも解釈を助けていただき楽しみを増幅させてくださったこちらのブログに、感謝の気持ちを伝えたくて出て来ました。

繰り返しになりますが、ありがとうございました。
by ハル (2017-02-27 22:34) 

ブライ好き

このブログの感想コメントが大好きでずっと読ませて頂いておりました。読み直した後のブログを楽しみにしています。ありがとうございました!
by ブライ好き (2017-02-27 23:32) 

お名前(必須)

8年間お疲れ様です。正直漫画の展開よりこのブログの独特な切り口が好きで毎回ネタバレ記事を読ませて頂いておりました。もうアイアムアヒーローのネタバレ記事を読むことができないのかと思うと、ちょっと悲しいです。
今までありがとうございました。本当に感謝しています。

by お名前(必須) (2017-02-28 00:49) 

KAI

ハル様
コメントありがとうございます。

「ラストで全部解明!」といかないのは
(見ている側がスッキリしないことも含めて)
ゾンビ物の宿命というか、セオリーというか、
お約束みたいなものなのかもしれませんね。
なので、落とし所としては、あの最終話が“最善”と思いたいです。

あと個人的には、最終の単行本で大幅な加筆ページが
あるのではないかな、とささやかな期待をしています。

ありがとうございました。

by KAI (2017-02-28 10:00) 

KAI

ブライ好き様
コメントありがとうございます。

英雄の心に少なからず影響を与えた好漢・ブライの存在は、
この漫画の中では大きかったと思います。
形見のベーコンは食べちゃいましたが・・・。

最後の単行本が出たら、また何か書かせていただきます。
ありがとうございました。

by KAI (2017-02-28 10:05) 

KAI

お名前(必須)様
コメントありがとうございます。

8年間、たくさんの読者が飽きずに読み続けられた
『アイアムアヒーロー』の面白さは、やはり凄いなと思います。
漫画が面白いからこそ、このブログを続けられたんだなと実感しているところです。

最後の単行本が出たら、また何か書かせていただこうかと考えています。
ありがとうございました。

by KAI (2017-02-28 10:12) 

碌

あれ、コメント欄が開放してある!
いつも楽しく拝見させていただき、感想をつけたくてモジモジしてました、ありがとうございます。

最終回、困惑しました。
正直未だ上手く噛み砕けていないのですが、ゾンビ物として見ると、作者の悪癖が強めに出た投げっぱなしの終わり方ですが、
英雄の成長物語として見ると、一応のオチがついたのかな、と考えてます。
ただ、であれば、英雄と関わりのない、ゾンビ物としての世界観(外国とか)が多すぎたかな、そのせいで投げっぱなし感を強く感じてしまうのかな、と思います。

長くなってしまい、すみません。
おかげさまで、本誌の内容に首をかしげる様な時も、脱落せずに最後まで追えたように思います。
改めてありがとうございました
by (2017-02-28 12:30) 

ななし

はじめまして。
単行本を待つ者としてこのブログはネタバレになるのですが、先が気になるのでいつも拝見しておりました。
こちらで内容をある程度確認するのは勿論、考察も非常に楽しく読ませていただきました。
漫画がどんな内容であっても冷静かつ読みやすい文章でした。
長い間ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
by ななし (2017-02-28 15:01) 

YOU

毎回楽しく読まさせて頂きました。
最終章解釈の前に、作者次の作品の構想が沸いてきたのだろうかと思われます。

残り○回とカウントダウンした時点でもう花沢氏の中では終わっていたのだろうと思いました。

他の作品を早く書きたい感が出ているような気もします。

映画化もしているので

そのうち続編的なものも手をつけるかもしれませんね

長崎編・茨城編も楽しみです。

長い間お疲れさまっした。
by YOU (2017-02-28 20:58) 

KAI

碌様
コメントありがとうございます。
今回だけコメント欄を開けさせていただきました。

たしかに、あれだけ数多くの謎や伏線らしきものをビッシリと張り巡らせた上での、あの最終章ですから、我々読者が困惑するのは当然ですよね。
置いてけぼりを食らったような、モヤモヤは残ります。
ただ、それさえも織り込み済みで、花沢さんはあの終わらせ方にしたのではないかな、とも思っております。
その意図するところは分かりませんが・・・。

良くも悪くも、読者に強烈な印象を残した漫画であったことは間違いないと言えますね。

ありがとうございました。

by KAI (2017-02-28 23:50) 

KAI

ななし様
コメントありがとうございます。

週刊連載を未読の方や単行本で一気読み派の方がガッカリするような、“盛大なネタバレ”にならないように気を付けていたつもりでした。
が、私の文章力ではなかなか難しかったですねー。
特に比呂美の発症と小田さんの最期辺りは衝撃的すぎて、何を書いてもネタバレになってしまい、少し後悔しています。

単行本への興味が薄れなかったのであれば、幸いです。
ありがとうございました。

by KAI (2017-03-01 00:03) 

KAI

YOU様
コメントありがとうございます。

うーん・・・たしかに次回作の構想に意欲が向いたというのは、十分あり得ると思います。
不自然なまでの長期休載の後、いきなり「あと7回」でしたからね。

もちろん、読者的には次回作にも興味はあるのですが、今は最終巻とその前のスピンオフ2本が楽しみですね。

ありがとうございました。

by KAI (2017-03-01 00:13) 

sonet会員

nice!記事
by sonet会員 (2017-03-01 16:58) 

クルスが生まれた意味を知りたい

海外編になりいつも物語というかZQNの真相に近づいていたのでいずれ他の作者の方の海外オンリーの話で全部明かされるのかなとも思っています
スピンオフが現在かなり出ていますし
英雄の物語としてはこれが最善の落としどころだったと思っています
強いて言うなら嬢王蜂として連れ去られそうになりクルスに助けられた少女のその後と、彼女が持っていたあのぬいぐるみの正体を明かして欲しかったですが

by クルスが生まれた意味を知りたい (2017-03-01 22:00) 

KAI

クルスが生まれた意味を知りたい様
コメントありがとうございます。

クルスに関連したあれこれについては、ほとんど何も判明しないまま終わってしまいましたねー。
海外編で登場した、後々“重要人物”になりそうなキャラ達もそのままでしたし。
このへんは、何らかの形で補足が加わることを期待したいですね。

ありがとうございました。

by KAI (2017-03-02 11:25) 

左前ステップ

いつからかこの落胆フルテンションでアイアムアヒーローを追ってました。
グロいのは苦手じゃないんですが、赤ちゃんZQNを立ち読みで見たとき「あ…ムリ…」となりまして(笑)乳児の育児中は絵的に厳しいから、この考察でいつも読んでました。

丁寧で客観的な説明、考察は押しつけがましくなくて、とても読みやすかったです。
毎話、ありがとうございました。
お疲れ様でした。
by 左前ステップ (2017-03-02 22:51) 

ジャガー

毎週漫画が掲載されると、こちらの解説・考察を楽しみにしておりました。漫画の方は気持ちが逸ってしまい、すぐにページをめくってしまうので、こちらのサイトを見て「あぁ、そうだったのか!」と細部の書き込みや伏線に驚くことが多かったです。
最後まで謎は多かったですが、銃、瓦礫、巨大化など、ラストは個人的に好きな漫画「AKIRA」を思い出し嬉しかったです。
長い間、ありがとうございました。
by ジャガー (2017-03-03 06:20) 

KAI

左前ステップ様
コメントありがとうございます。

赤ちゃんZQNは物語の最も重要なところ(比呂美や小田さんの感染シーン)で“悪役”にされてしまうので、親御さんの立場で見ると全く印象が違うのですね。
今は無理でも、お子様が大きくなった頃に、ぜひ単行本で一気読みを!

お付き合いいただき、ありがとうございました。

by KAI (2017-03-03 21:20) 

KAI

ジャガー様
コメントありがとうございます。

『AKIRA』との共通点。
これには、今の今まで全く気付かなかったです!
言われてみれば、クルスが勝手に立ち上げた「久喜幕府」と金田が宣言した「大東京帝國」も似ていますね。なるほど!
やはり自分以外の読者の方々の感想は、多くの「気付き」を与えてくれますね。

ありがとうございました。

by KAI (2017-03-03 21:35) 

カツ丼

巨大ZQNに英雄は取り込まれたあと、そこで撃ったのは比呂美だったのか?

すごくベタなラストですけど、石化した巨大ZQNから、比呂美が正常な大人の裸の姿で出てきてほしかった。そうすれば「人類」の希望が見えて来たと思うのですが、このままでは老人になって人生を寂しく1人で終わる英雄の姿しか見えてこないです。

日常がお構いなしに非日常へ変わっていく恐怖感が、1〜2巻には溢れていたのですが、正直、3巻以降の樹海編辺りから、不自然すぎるほど話を伸ばしすぎ、そして話を世界規模で広げすぎたと感じます。恐らく人気が予想以上に出たので連載を伸ばすよう指示があったのでしょう。

その割にはあまりに唐突すぎる終わり方で、煮え切らない気持ちしか残りません。

作者自身、独身→結婚、そして金銭面でも満たされた生活へと変わっていき、作品にもハングリーさがどんどん失われていっったように感じます。私は残念でなりません。
by カツ丼 (2017-03-30 06:45) 

アイアムアモブ

約8年、お疲れ様でした。いつもKAIさんの考察と一緒にアイアムアヒーローを楽しんでいました。ありがとうございました!
by アイアムアモブ (2017-03-30 21:33) 

KAI

カツ丼様
コメントありがとうございます。

長く続いた漫画のラストとしては、賛否両論があるのも分かります。
ましてや「人類」の視点からすれば、希望は皆無でしたからねー。
仰る通り、英雄は孤独に人生を終えることになりそうですし。

ただ、長く連載を続けていく中で、
花沢さん自身の人生にも様々なこと(良いこと、悪いこと)が起こり、
それが漫画に少なからず影響を与えているのではないか、
と個人的には思っています。
それが「漫画家として良い・悪い」ということは抜きにして。

「漫画は、その作者の人生の縮図」みたいな視点で読んでみると
また違った印象を抱いたりできるのかもしれませんね。

ありがとうございました。

by KAI (2017-03-31 12:09) 

KAI

アイアムアモブ様
コメントありがとうございます。

「モブ」だった一人の男が「ヒーロー」になっていく物語。
最終集の単行本が出たことで、ついに全てが終わった感じですね。
連載開始当初は、まさか8年間読み続けることになろうとは・・・。

ありがとうございました。

by KAI (2017-03-31 12:19) 

金魚

毎週、このブログを楽しみにしていました。個人的な想像ですが、比呂美は自ら命を絶ったように思います。海外編を見ると、半感染の女の子は「女王蜂=巣の主=子宮」で、日本のクルスのセリフからすると、クルスは女の子を巣に連れて来る役割でしょうか?ところが東京では比呂美が英雄と結ばれたためにシナリオが狂い、比呂美が自我を取り戻して「生きて」と言った瞬間、英雄が「ドム」とやってしまう。zqnは銃では死なないででしょうから、「巣の主」の比呂美が自ら活動を停止したように思います。一方で英雄がコロリに打った銃弾は「無口ちゃん」の精神のバランスを崩壊させましたが、結果的に無口ちゃんの提案でコロリたちを救うことになりました。なので、自分では知らずに「銃弾で奴らを封じ込めた」と言っていますが、英雄はやはりヒーローなのではないかと思っています。ただ、最終話で英雄が禿げている(老化)ことからすると、ウィルスが体内に入っているかもしれませんが、半感染状態にもなっていないように思います。長文申し訳ありません。こういう風に想像を巡らせながら、読むことが、この漫画の最大のたのしみでした。
by 金魚 (2017-04-07 16:04) 

KAI

金魚様
コメントありがとうございます。

非常に合点のいく推理に感服しました。
「なるほど、そういうことかー!」と膝を叩いてしまいました。

惜しむらくは本作内で、このような壮大な仕掛けを行なった存在が明確にされずに終わってしまったことでしょうか。
結局、宇宙人の侵略という解釈で良かったのか否か・・・。
もし、そうなるのであれば、あの後の地球はどうなったのか。
そこまで踏み込んでくれてたらなぁ、と今でも思います。
推測・推理する楽しみを知ることができた作品だけに、「答え合わせ」まで行きたかったというのが正直なところですね。

ありがとうございました。

by KAI (2017-04-07 19:20) 

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